カリキュラム

カリキュラムの特徴

本校のカリキュラムは現在、看護基礎教育第5次カリキュラム改正に伴い再構築しています。新カリキュラムの特徴としては、看護実践力の強化のほか、臨床判断能力、多職種連携の強化が挙げられ、更に、「在宅療養者」から「地域で暮らすあらゆる人」を対象とし療養の場の拡大を踏まえた看護の内容が組み込まれました。それに伴い、当校では各看護学の領域を横断する科目を新設し領域のつながりを強化しながら学習できるようなカリキュラムを構築しました。

カリキュラム全体の科目は、基礎分野・専門基礎分野・専門分野で構成しています。基礎分野では看護を学ぶ上で基礎となる科学的思考と人間と生活・社会の理解に必要な学習を行います。専門基礎分野では、人体の構造と機能や疾患の成り立ちと回復の促進、健康支援と社会保障制度を学びます。進度としては基礎分野と並行して専門基礎分野、専門分野を学べるように漸進的に組み入れており、看護に必要な知識・技術・態度が身につけられるようになっています。専門分野は学内での講義・演習と実際に看護が行われている場で学ぶ実習があります。さらに演習の中では新たに新設した看護過程演習や臨床判断演習などを学び、看護実践能力や臨床判断の能力の向上を目指しています。

科目紹介

横断科目
臨床判断Ⅰ(2年次)

看護は1回性の場面の連続であり、その時の看護師の適切な判断力と対応が必要となります。そのため、看護するためにという目的のもと、何をみて、どう判断し、対応するのか自分の頭を専門家として働かせるようにしていく必要があります。この科目では臨床でよくある場面を想定し、看護師が何をみてどう判断し行動するのか看護師のような頭の働かせ方と必要な技術を学習します。

基礎看護学
生活援助技術Ⅲ(1年次)

看護は対象の生命力を消耗させているものを発見してそれを最小にするような24時間の過ごし方をその人と一緒に作り出していくことです。そのため人間の24時間の生活を理解し、その人の生活に応じて必要な援助を行えるように技術力を高めることが必要です。この科目では人間の生活の中でも運動、休息、労働、性、環境に焦点を当て安全、安楽、自立を踏まえた日常生活援助技術を身につけることができるように学習します。

専門基礎分野
解剖生理学Ⅴ(1年次)

人間に働きかけ、その人の日常生活を支援する看護師には対象のその時の健康状態を的確に把握する能力が求められます。そのためまずは解剖生理学Ⅰ~Ⅳで正常な構造と機能について医学と共通する基本的知識を学び、医学で使用される用語の概念を理解できるように設定しています。この科目では看護教員が担当し、看護するために部分(臓器別)で学習した解剖生理学の知識を関連させて日常生活行動とどう繋がっているのかイメージできるように学習します。

臨地実習施設

当校の臨地実習はすべて札幌市内で行っています

実習は、学生にとって1日の生活が変わるといったストレスフルな状況におかれがちです。
教員ではない指導者との関わりが必要になり、学校とは違う病院といった緊張する環境におかれ、実力が発揮できなかったりすることもあります。
そのため、学生が目の前の患者さんに集中して、必要な援助を考え実施できるように病院と協力して指導体制を整えています。

当校は附属看護学校のため、1年次の基礎看護学実習、2年次の成人・老年看護学実習、3年次統合実習といった実習は中村記念病院、南病院で行われますので、臨床側と密に調整しています。
病棟指導者は卒業生が多いので、学生の状況をよく把握できていますし、病棟では学生4名に対して毎日1〜2名以上の指導者、1名の教員を配置し、のびのびと実習できるように手厚く丁寧な指導にあたってもらっています。